「ねぇ、答えてよ...」

「...」

「渡利っ...」

「俺、高3の4月から北海道に行く」

渡利は低い声で話し始めた

「父さんの転勤で、急に決まったんだ...」

ショックが大きくて言葉が出なかった

渡利もうつむいているだけだった

「.....どーして?」

「え?」

「どうして私に言ってくれなかったの...?」

気づいたら涙が溢れていた

目の前の渡利の顔が滲んで見える...