恋ノ色

「わ、渡利」

隣にいる渡利に声をかけた。

すると、渡利は少し目を見開いた。

「なに?」

「は、話したいことが...あるんだけど...」

最後の方は小さくなってしまったが、渡利はちゃんと聞き取ってくれた。

「分かった」

「...!」

「でも、その前に場所を移そう」

そう言うと、私の手をひいて教室を出た。