そう言うと月熊は教室に入っていった。

やっぱ男子はここがいいな…

少しイライラが収まったところで、おれは自分の席へ戻った。

「ねぇ、渡利。」

席につくと隣の奴が話しかけてきた。

「は?なんでおれの名前、知ってんだよ」

「そりゃ知ってるよ。」

「うざい」

そう吐き捨てると明らかにあいつはへこんだ。

「なんだっけお前の名前」

「藤谷香織です…」