「いや、なんでもねぇ。」

「えー?」

「いいから。お前は寝てろよ」

「はあい。」

それから、しばらく沈黙が続いた。

少しして

「あのさ、」

渡利が声をかけてきた。

「お前って、好きなやついんの?」

「え…?」

いきなりそんなことを言われ、私はビックリしてしまった。

「いんの?」