しばらくして、渡利が戻ってきた。

「はい。」

「あ、ありがとう。」

「あ、ここで本読んでていいか?」

「うん」

「なんかあったら言って」

「うん…けほっ、けほっ」

水を飲んだらむせてしまった。

「おい、大丈夫か?」

私は少し涙目になりながら渡利を見上げた。すると、

「っ」

渡利はそっぽを向いてしまった。

「どうしたの?」