恋ノ色

「んー」

そう言いながら、藤谷が近づいてきて、俺は思わず、後ずさってしまった。

「何だよ」

「渡利、背伸びた?」

「は?」

「なんか、前より伸びたんじゃないかと思って…」

「は?お前が縮んだんだろ」

「はぁ?」

藤谷がもっと近づいてきて、俺を見上げてきた。

俺は、もう耐えられなくなり、保健室を出た。