香織side
渡利諒…。

隣の椅子にはそう書いてあった。名前は知っていたが、どんな人かよく分かっていなかった。

今日から新しい席‼ と張り切っていたが、全然知らない人だった…どうしよう…

そう思いながら、隣の席を眺めていると、
「諒‼ おはよー‼」
という声が聞こえてきた。廊下の方を見ると、渡利諒が教室に入ってきた。
身長は、私より少し大きく、黒いメガネをかけていた

なかなかイケメンじゃん

そう思った私の考え方は間違っていないようで、朝から女子に囲まれていた。