【放課後】



私は公衆トイレでさっと制服を着替えてカバンに詰め込む。…あ、カバンはバレるから学校のカバンとは違うのをもちあるいてる。



総「おーーい、美月〜」



美「…よう」



総「俺、教師になる!」



美「聞いた。…でもなんで教師なんだ?」



総「…それは……はずかしいから秘密だ!…ただ言えるのは…俺は来龍を抜けるってことだけだ」



来龍を?…大切だと言った場所をそんな簡単に手放せるもんなのか?……私には多分、無理だ。…けどそこまでして教師になりたいという総の気持ちを私は尊重した。



美「そうか」



総「…だからな…」



総は少し言いづらそうにしたて私を瞳に移した。



総「夜舞の美月とこんなふうにしゃべんのは、もう辞めるな」



…総の目が、今までと違って本気だった。…私を射抜きそうな強い意志。



でもな…?



美「…散々喧嘩吹っかけといてそっちは逃げんのかよ!!」



今までのことを思い出したら逆に腹が立ってくる。…どこにでも現れては喧嘩を吹っかけてくる総に対して、わかったなんて言えたもんじゃねぇ!



総「あはは」



美「笑ってんじゃねぇ!!!一方的すぎんだろ!!あぁん?!!」



総「…ちょ、美月っ!…たんまたんまっ!!(汗」



美「待つかよ!!」



総「じゃ、じゃあ交換条件にしよう!!なっ!?」



交換条件…。



美「どんな?」



総「ひとつだけ。必ずお前の言うことを聞くってのはどうだ?」



美「んー…なんでもいいの?」



総「ああ…。どんな頼みでも聞いてやる」



美「…うん、いいよ」



私は少し考えてからそう答えた。



総「まじ?」



美「ああ。…なぁ…総、最後に勝負しねぇか?」



突然言った私の言葉に驚いたであろう総はぶっと吹き出したあと「負けねぇよ」とそれだけ言った。



美「…行くぞ」



総「あぁ」




ータッー



2人が同時に走り出した。