「朱羽可愛い~」


やや落ち込み気味の気分で教室に入ったわたし。


それに反して、イメチェンしたわたしを見た友達の美那(みな)のテンションは高い……。


休み時間に入るなり大はしゃぎ。


「もしかして……村田くんの告白成功した?」


美那ちんには言ってなかったんだった……。


村田くんにラブレターが渡せなかったどころか、悪魔のような男の彼女になってしまったことを……。


「ん……違うけど」


美那ちんの質問に言葉を濁すわたしに、


「それって伊崎の趣味なの?」



構わず香乃子は質問してきた……。


そんな名前出したりしたら~!


「えっ? 伊崎って隣のクラスの伊崎 理緒? 黒王子?」


思った通り見事に食いつく美那ちん。


あぁ……。


これ以上わたしが奴の彼女であることを知られたくないんだけど……。


「なんで村田くんじゃなくて伊崎くんなの? ねぇ?」


美那ちんは目をランランと輝かせながらわたしに詰め寄ってくる。



なんで女の子ってこういう、他人の好きだとか付き合ってるとか言う話が好きかなぁ~。


……わたしも好きだけど。


自分のはヤダよ、正直。