「帰ろうか。」 その一言に胸が苦しくなる。さっきまでの落ち着いた、満たされた気持ちは一気に暗くなる。俯いて黙ってしまう。今日初めてあった人なのに。 どうしても離れたくなかった。 「大丈夫だよ。」 と言って彼が抱きしめる。優しく包まれた私の体は落ち着きを取り戻していた。