これで本当に前に進める。
後ろめたい気持ちなんてない。

私は彼の唇にキスをした。

ニコッと微笑む私とは反対に彼は驚いていた。
でも、すぐに優しく微笑んでくれる。

 「もとから、夏華は僕の彼女ですよ」

ありがとう…

本当に彼は優しい。
その優しさに涙がまた溢れてくる。

 「僕の傍にいてください」

 「…はい!」

本当によかった…
輝琉に会えて、こんな素敵な彼氏ができて。

 「ありがとう」

何度言っても言い足りなくて私は彼をまたギュッと抱きしめた。
彼もそれに応えてくれた。

もう、後ろを振り返らない。
私は前を見て歩くって決めたから。

 「夏華、愛していますよ」

 「私も愛してるよ、輝琉」