彼と別れた後、1人夜道を歩いた。

拭っても拭っても溢れてくる涙が歩く度、地面に落ちる。

気持ちを落ち着かせようとネックレスを握りしめた。

涙以外で地面にポツリと染みを作った。
ふと空を見ると雪が降り始めてきたのだった。

 「流石に寒いな…」

早く帰ろうにも隣は佑斗の家で何だか気まずい。
だからと言って行く場所などないのだけれど…

そんなことを足を止めて考えていれば、私の携帯が鳴った。
相手も見ずに携帯に耳をつける。

 『夏華、大丈夫ですか?』

何でこのタイミングで彼は電話をくれたのだろうか…
その声で再び涙が溢れ出す。

 「…輝琉の声、落ち着くね」

 『今どこにいるんですか?』

彼の言葉で視線を探るように動かせば、
知らない間に学校まで来ていた。