「いつ、伝えるんですか?」

 「できるだけ早くとは思ってるんだけどね、いざってなるとまだちょっと怖くて…」

 「ゆっくりでいいと思いますよ」

そんな時に限って彼は優しい言葉を私にくれる。

だけど、

 「甘やかしすぎだよ…」

その甘さに甘えてはいけない。
けりをつけるんだ。

 「何かあったら呼んでくださいね。必ず迎えに行きますから」

 「うん、ありがとう。もう帰ろ?」

 「そうですね。帰りましょうか」


彼は手を差し出だす。
私はその温かく、優しい心地のよい手を握った。


 「寒くないですか?」

本格的な冬の寒さに襲われるも、繋がれた手は温かい。

 「大丈夫輝琉の手あったかいもん」

 「なら良かったです」

そう言ってきゅっと握られた手に頬を緩ました。