涙がとうとう地面に落ちた。
これ以上私を苦しめないで。

 「もう嫌だ」

どうしてこんなになっちゃったの?
どうしてすぐに気持ちを消さなかったの?
私は何がしたかったの?

 「夏華さん!」

彼の声が次第に強くなる。

 「ごめんね、こんな私でがっかりしたでしょ?」

私は涙を拭い顔を上げた。

 「私には輝琉君はもったいなさすぎるよ…ごめんね」

ごめん。

 「ねぇ、もう終わりにしよ?」

彼の目を見て微笑んだ。

ごめんね。
好きだって言ってくれたのに。
私は貴方に応えることができなかった。

 「別れよう、輝琉君」

これ以上一緒に居るのはお互いを苦しませるだけだよ。
本当に短い間だったけど、幸せな時間だった。

”ありがとう”

そう口を開く前に私の唇は塞がれた。