自分のことで精一杯で最低だ。

彼の優しさに縋り付いて、

彼の優しさを利用して…

こんな自分が嫌で嫌で仕方なくなる。

もう、疲れた…

何も考えたくない。

 「僕を頼ってくださいよ」

彼が私に言い聞かせるようにゆっくり言葉を吐いた。

 「できないよ…」

出来るわけないじゃん…
何でこんな最低な女にそこまで優しくできるの?

噛み締めた唇からほのかに鉄の味がした。

 「自分を責めないでください、夏華さんは何も悪くありません」

 「そんなの嘘だよ…今のままでいいわけないじゃん!」