放課後、約束した通り私たちはクレープを食べにお店に向かった。

彼も甘いものが好きだと知って、
共通できるものが見つかってなんだか嬉しかった。

クレープを買って、近くのベンチに座った。

 「ねぇ、なんで輝琉君は敬語で話すの?」

何気なく気になっていたことを聞いてみた。
彼は食べていた手を一旦止めて少しだけ眉を下げた。

 「癖なんですよ。小さい頃から親が言葉遣いに厳しい人だった影響です」

彼は私の目を見つめてから、

 「嫌ですか?」

そう呟くように言った。
私は首を横に振った。

 「そんなことないよ。私は輝琉君の喋り方好きだよ。何だか落ち着くんだよね」

本当に心が落ち着く。
私の冷たくなっている心を溶かしてくれるかのように温かくなる。

 「そう言っていただけると嬉しいです」

彼の眉をもう下がっていなくって私もほっとして笑った。