もう終わりにしよう。
この想いも全て…
彼の心に入る隙などないのだと思い知ったでしょ?

 「ほら話は終わりよ!早く帰りなよ最近寒くなってきてるんだから」

まるで自分に言い聞かせるように強く言った。

 「お前も風邪ひかないようにしよろよ?毎年この時期は風邪っぴきだろ」
 
  「私、馬鹿じゃないから風邪引くのよ」

  「馬鹿が風邪引くのは夏だったな。じゃあ帰るわ」

  「はいはい、じゃあね」

彼の後姿を見つめていた。

窓からは冷たい風が入って来る。
あっという間に冬が来るんだろうなと、ふとそんなことを思った。