家に上がり、制服のまま床にペタンと座った。

 「本当に良かったのかな…」

独りになって冷静さを取り戻す。

良かったなんて言えない…
だって、心にいるのは佑斗だもの。
輝琉の彼女になったというのに、そんなの許されるはずがない。

それでもいいと彼は言ってくれた。
でも…

 「このままじゃ駄目だよ」

佑斗のことをすぐに消すことなんてできない。
一緒にいた時間があまりにも長かったから…

前に進まなきゃ…
少しずつでもいいから、これから彼、輝琉君のことを知っていこう。