「女の子は、誰しも好きな人のために一生懸命になるの、だから周りが見えなくなって間違った方向に走ることもある。だから…」

私は一旦言葉を切った。

これは私が佑斗に対する気持ちでもある。
彼には内緒の私の想い。

 「だから、そうならないように見張ってあげて。間違ったなら何度でも彼女の手を引いて導いてあげて…彼女の本当の心を見てあげて、決して目を逸らすことなく…ね?」

涙はもう流さない。

 「私のアドバイスはこれで終わり!彼女のこと大切にしなよ」

私は振り返り際に笑って見せた。

 「あぁ、大切にする。ありがとう、夏華」

彼は優しく微笑んだ。

もういいよね…?
私はこの笑顔が見れれば良い…