翌日、いつもより早めに玄関を出る。
ちょっと気まずい空気になりそうだし今日は
1人で登校しようと決めていたのだ。

 「おはよ」

しかしそこには彼が居たのだ。
いつも通り私に話しかける。

 「おはよ。今日早くない?」

 「そうか?俺はこの時間にはもうお前の玄関前でスタンバイしてるぞ?」

 「…そうだったんだ」

知らなかった…
いつも早めに出て待ってくれていたんだ。

 「てか、もう1人で登校するから迎えいらないからね」

 「急にどうしたんだよ?」

彼は首をかしげる。
まぁ…鈍感なコイツは言葉にしないと伝わらないようね。

 「今、佑斗には彼女がいるでしょ」

頷く彼を見て話を進める。

 「その子に失礼なことしたくないもの」

好きな人の隣に自分以外の誰かが居るのは嫌だもの。

それを分かっているから私はもう彼の隣を歩けない。