家に着くなり私は崩れ落ちる。
何も考えたくないのに、アイツのことばかり考えてしまう。

気を紛らわせるように、ヘッドフォンを耳に当て音楽を流した。
そんなことで紛れるほど簡単な想いでないことなんてわかっている。

 「未練がましい…」

アイツに幸せになってほしいんでしょ?
だったらこれ良いじゃないかと何度も言葉を繰り返した。

震える身体を抱きしめるのは自分。
涙は拭っても次々に溢れてきて止まらない。

何もかもが嫌だった。
時間が戻ってくれればいいと思った。
そうすれば…
そうすれば私は、佑斗に告白できたかもしれない。

そんなこと考えても無意味だって分かってる!
時間を戻すことなんて不可能だって分かってるよ…