見守る恋じゃダメですか


 「はいはい…何か悩みあるなら相談にのってやるからな」

彼は私の目をまっすぐ見て言ってくれた。
その目を離せなくて私は彼を見つめ返す。

 「悩み事あるとき、お前は指先同士を合わせる癖あるんだよな。丁度今もそうしてんだろ」

彼に言われて手元を見れば、確かに今も指先同士を合わせていた。

気づかなかった…
こんな癖あったんだ。

それに彼が私のことをよく見ていたことにもびっくりした。

 「悩み…」

悩みなんて、考えてることなんてひとつしかないじゃない。
でもそれを相談なんてできないわよ…