クロネコ童話

「さあっ、最後の大仕事ですっ!」

叫んだエースクロネコが、ズルズルとロープを引きずってきます。

数匹がかりでそれをヤカンに結わえると、天井の近くで待機していたクロネコにはしっこをパス。

パスを受けたクロネコは、その先を滑車に通すと、レスキュー隊のようにカウンターまで降り立ちました。

そしてロープが、カウンターに集結したクロネコ達の手に手に。

「よーしっ、引っ張れ――!」

「「「そぉうれっ!!」」」

掛け声で、14匹のクロネコが力を合わせます。

ロープで少しずつ吊り上げられるヤカン。

その目先には、挽かれた豆がセットされた抽出器。

「微妙な位置は、私がコントロールします!」

魔術師クロネコの手から金色のキラキラが舞い、ヤカンの口が揺れるのを抑えます。

そしてゆっくり、ヤカンが傾けられました。

細く細く、円を描くように注がれるお湯。

それを受けて、コーヒーがポゥポゥポゥと膨らんだり縮んだり、まるで生きているようです。