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「女として興味ないの? 付き合う気ないの?」
何が起こったんだ。目の前にいるのは祐介だ。
「亮?」
ここは教室。雨が降っている。
今は何時だ。時計は5時。ということは夕方。
「亮ちゃん?」
俺は制服を着ている。つまり、夏休みにはなっていないのか。
「戻った? え、学校? 俺、なにしてたんだっけ」
勢い良く立ち上がると、机の上に何かが落ちる。ゴミかと思って拾い上げようとして驚いた。
「これって桜じゃないか? こんな時期に珍しい!」
祐介の声に、やっとそれを取ることが出来た。そして確信した。
姫巫女との会話も、契約も、代償も、本当のことだ。
これは嘘ではないのだと、姫巫女が警告のために落としていったのかもしれない。