「願いは咲良の命。生きていてほしい」
「よいのだな?」
「……頼む」
「契約成立だ」
姫巫女が初めて心から笑う。
微笑むその顔は可愛らしい。女の子らしいその優しい笑顔に、俺はまた魅了される。
姫巫女が滑らかに俺の回りを歩き、舞う。
衣が何度も目の前を過ぎ、優しい香りがする。
どのくらいの時間舞っていたのか。長いのか、短いのか、まるでわからない。
声をかけることも出来ないまま、俺はただそれを眺めていた。
やがて姫巫女は正面に立ち止まり、ゆっくりと手を合わせる。
次の瞬間、あまりの眩しさに驚いて目を腕で覆っていた。



