「運命という道から離れ、自分なりの真っ直ぐな道を作り出せればお主の勝ちだ。運命に逆らえず、それを受け入れたらお主の負け」

「それで?」

「覚悟はあるかの? 螺旋という茨の道を生身で行く覚悟だ。願いを叶えるという代償は、そのくらいのものがある」




 異質な空気は背筋が凍るほどの重さがあった。



 今、姫巫女は試している。俺の覚悟を。
 そこまでして叶えたい願いなのかという判断をしているんだ。




「……決まってる」




 答えなんてすでに出てる。



 告白なんてしなくても幼なじみでいられる。
 近くにいることだって出来る。
 祐介っていう、任せられる友達がいる。



 だから決まっているんだ。



 俺がやれることは咲良を見守ること。ただ、それだけだ。