気持ちが二転三転して落ち着かない。でも結局、俺の気持ちは最初から決まっていた。



 咲良を助けたい。また、会いたいんだ。




「心が決まったようだの。では、改めてお主の願いを言うがよい」

「咲良を死なせたくない。あの事故をなかったことにしたい」




 はっきりと言葉にする。すると姫巫女は頷いた。




「では時間を戻し、事故をなかったことにしよう。それでよいか?」

「ああ」




 姫巫女は冷たく笑う。




「ただし条件がある」




 心の中で、やっぱりなと思う。



 最初から彼女は、自分のために願いを叶えると言っていたのだ。それに、こんなにもあっさりと簡単に事が進むはずがない。



 しかし、俺はどんな条件でも受け入れるつもりでいた。咲良が生きていてくれるなら。