「やはり説明せねばならんか。面倒だな」
「は?」
「全て話す。それから考えるといい」
「君って中学生? もう夜10時過ぎてるし、補導されるよ」
この状況から逃げたいと思うのは当然だ。
このまま居たら悪いことが起こるに違いない。
やはり、女の子は異質な雰囲気がする。関わってはいけない。
俺の中で警鐘が鳴る。
適当な言葉を並べて逃げようと、俺はブランコから降りる。
「俺、帰らなきゃ」
「1つ聞いてもよいか?」
すれ違いざま、女の子が声をかける。
俺は構わず歩き続けた。
「一ノ瀬咲良が死ぬ以上の悪いこととは、どんなことだ?」
俺は立ち止まる。
まるで心臓を鷲掴みされたかのように、苦しくなる。
悔しくなる。
腹が立つ。
こんな年下の少女に何がわかるっていうんだ。
いや、待て。この女の子。
俺の名前や咲良のことを知っている。心をよんだ……まさか。



