「可愛い咲良ちゃんの登場ですよ!」
幼なじみというのは、こういう時どうしようもなく面倒な存在になる。
ほっといて欲しい時だってあるんだぞ。
とにかく俺は朝が嫌い。
それなのに毎朝、毎朝。
嵐のごとく入ってくる咲良の大声に悩まされてる。
いい加減、優しく起こすことを覚えてほしい。
「亮ちゃん! 朝だよ。学校だよー!」
家が近いことも問題。
幼少期は近すぎない絶妙な距離に住んでいた。
が、一軒家に引っ越したその日に歩いて15分の距離になった。
近くて嬉しいことなど1つもない。
こちらの都合などお構いなしに訪ねてくるのだから。



