3つ目。なかなか具が出てこない。




「あれ?」




 ただの塩おにぎり。




「さては、アイデア尽きたな!」




 俺は悩む咲良の顔を想像して笑う。
 しかも前2つのおにぎり、どっちも肉。
 魚とか考えたらいいのに、何で料理になると咲良は一方通行なんだ。



 混ぜ込みごはんって手もあるだろう。というか、何でおにぎり限定なんだ。




「発想が凡人レベル! 修行しろ!」




 言っておにぎりを再び口に入れて止まる。




「ん?」




 口の中に、得体の知れない何かがあってもごもごしながらそれを出す。
 アルミホイルを噛んだ気持ち悪さに、俺はうまく米だけを食べてそれを吐き出した。