「で? 告白するのか?」

「夏休み前に、しようかと」

「あと3日しかねえし!」




 俺は思わず立ち上がる。ペットボトルが倒れたがどうでもいい。




「気持ち伝えるのって、勇気いるよ。いつかしようかと思ってて」

「そんで、日が過ぎていったってやつか?」




 それにしてもいきなりすぎる。
 明日、告白するかもしれない。
 もしかしたら、今日電話してするかもしれない。



 咲良はなんて答えるだろう。もしかしたら、いいって答えるかもしれない。



 俺は平気なのか。平気で、いつもみたいに咲良とじゃれ合って、笑って咲良特製おにぎりを食べられるのか。



 無理だろ。もしも2人が付き合うことになったら、俺は邪魔者だ。




「がんばれよ」




 俺はそんな、ありきたりな励ましの言葉しか出てこなかった。