「話、聞かないぞ」
「それは困る」
「なにをコソコソ話してるの?」
いつの間にか戻ってきていた咲良が、じっと祐介を睨んでいる。
どこから聞かれていたかは知らないが、だいたいのことはわかったみたいだ。
女の勘ってやつかな。
「もしかして、好きな人の話なんでしょ!」
「へ?」
「絶対にそう! わたしもまぜて」
「ダメダメダメー!」
「なによ?」
祐介が慌てて咲良から離れる。
めげずに威圧的に近づく咲良の迫力はモンスター並だ。
祐介を助けてやりたいが無理だ。
「どうして?」
「どうしても!」
拗ねたように口を尖らせて、咲良は俺に助けを求めてくる。
祐介からも同じような目を向けられ、俺はどうしたらいい。
逃げたいのは俺の方だ。



