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『亮ちゃん!』




 目覚めると懐かしい声がして驚く。
 数秒かけて夢であると気づいた。



 いつもこうやって話しかけてきた。
 その呼び方はやめろと言っているのに、ちっとも聞かなくて。



 けど、俺との出会いは咲良にとって大切な思い出の1つだったんだ。



 だから、ずっと"亮ちゃん"と呼び続けていた気がする。あそこから、幼なじみは始まった。



 本当に懐かしい。



 呼んでくれる声はいつも優しくて、可愛くて、俺には自慢だった。
 俺だけ特別扱いしてくれているような、優越感があったんだ。