「だからね。変だって思ったの」
「ずっと知ってて、黙ってたのか?」
「言っちゃいけない気がしたから」
俺は倒れた机や椅子を直してから、改めて座る。
静寂を打ち消すような花火。
微妙な間のあとで、咲良は自分の指を見つめながら聞いた。
「どう思ってるか、だったよね」
「あ、ああ」
俺は深呼吸を繰り返し、落ち着いたところで咲良を見る。
真っ直ぐな瞳は優しい。
そして強い想いが滲み出るように涙が零れる。
「好きだよ。亮ちゃんに出会った時からずっと好きでした。今でもそれは変わらない」
咲良の告白。
咲良の勇気に俺も後押しされる。
意を決して咲良に向き直る。
その肩に手を置き目を見つめると、咲良の顔が赤らんでいった。



