「高校で。昨日まで優しかった亮ちゃんが急に素っ気ない態度になって。冷たくなって。嫌われたんだと思ってた」
「……悪かった」
咲良は思い出すことが嫌だったみたいだ。
高校時代を思い出しながら泣き、怒った目を向けてくる。
「おかしいって思ってても聞けなくて。わたし寂しくなって。そんな時に、祐介くんや理乃ちゃんが傍にいてくれた」
「ごめん」
「卒業したら大学は遠くて電話しても出てくれなくて」
「……うん」
「祐介くんにも悪いことしたなって。本当に、辛い思いさせたの」
多分、2回の告白のことを言っている。
明るく振る舞って、嫌わずにずっと親友でいてくれる祐介。
振られたのに、俺の心配ばかりしていた。本当に真面目で優しい奴。
祐介まで悲しませてしまった俺は大馬鹿者だ。



