「やっぱり2人付き合ってんの?」




 何を見てそう思ったかはわからないが、祐介がつぶらな瞳で反応を窺っている。



 どうして世間は幼なじみのやり取りを見るとくっつけたがるんだろうな。謎すぎる。




「告白したことも、されたこともないよ。な、咲良」

「うん」




 付き合っているのかという問いには、いつも同じように答える。咲良もそれを嫌がることはない。



 多分、慣れてしまったんだ。今じゃ、顔を赤くすることもなくなった。




「付き合わないの?」




 真剣な表情で問いかける祐介に、なぜか適当に答えるのも申し訳なくなる。



 咲良の横顔に目を向け、改めて祐介に向き直る。