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 久しぶりの我が家は何一つ変わっていない。庭にある木も、草も、道具の置き場所まで同じ。
 ただ、冬の姿になっているだけだ。



 離婚する時に手に入れた一軒家みたいだけど。俺はあまり覚えていない。けど、母さんにとっては思い出の場所だって聞いた。



 母子家庭で一軒家とか、ますます再婚出来ないだろうに。する気もないみたいだし、付き合うのも嫌みたいだけど。



 咲良が一歩後ろからついてくる。
 いつも通りにドアノブに手を掛ける。鍵がかかっていない。無用心だ。
 深呼吸1つ、思い切ってドアを開ける。




「メリークリスマス! 亮!!」

「うおっ!?」




 まさかの破裂音に、俺は咲良を押して後ずさる。お陰で咲良は尻餅をついた。
 悪いとは思うが、そんなのに構っていられない。