「咲良はやめてくれないから、仕方なく」

「じゃあ、オレもそうする」

「祐ちゃんって呼ぶぞ」

「……ごめんなさい」




 あっちもこっちも騒がしい。
 どうでもいいから食わせろ。俺は腹が減ってるんだ。




「あ。ハンバーグ出てきた」

「入れたって言ったでしょ」




 味わってみるとなかなかうまい。
 それにしても甘いな。懐かしい味がするけど、これって……。




「あのさ、咲良」

「ん?」




 口に入っていたそれを飲み込んでから、咲良に聞いてみる。




「これ、ミートボールじゃねえの?」




 明らかな動揺。しかし。

「……そうとも言う」

 と、咲良は言い張った。



 素直じゃねえな。
 絶対、間違って言ってただろう。



 いや、普通は間違えないからな。ボケすぎだ。