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 地元ではたくさんの事件があったが、東京に戻ると何も変わらない日々が待っていた。



 だからか月日はどんどん流れていく感じがした。
 あっという間に季節が変わり、油断すると置いていかれそうになる。



 俺は咲良の言葉を胸に、残りの大学生活を過ごした。



 思い出す、咲良が教えてくれた螺旋。



 きっと大丈夫。消えてしまいそうな希望。
 でも、それが俺の生きる力になっていた。



 もう、すれ違いは終わりにしよう。



 俺は咲良を不幸にするかもしれない。俺自身の幸福はないのかもしれない。



 恐怖に押しつぶされそうになる。
 それでも、進むしかない。



 俺が自分で決めた道だ。