「それに、会うたびに幼なじみのことばっかり赤い顔して話してくれる。あたしは、そこまで好きになったことないんだ。人に話したくなるくらい愛した奴なんていなかった! 好きになったような気になっていただけ。あたしは、ずっと嘘をついていたんだよ!」
急に恥ずかしくなる。
咲良が毎日、俺のことを話していた?
そう。確か、祐介もそんなことを言っていた。まさかとは思っていたが、本当だったんだな。
誰にでも恥ずかしがることなく言うなんて、咲良らしい。
「同罪ってことだな」
「え?」
「見た目が可愛けりゃ自慢出来る。上手く懐けば好きに出来る女。それが理乃だった。好きではなかったよ。ただのアクセサリーだったんだからな」
特に何の感情も抱いていない。男の冷たい目がそれをあらわしている。
突如、周囲が騒がしくなる。誰かが呼んだ警察が来たみたいだ。



