「高校の時。あんたたちが時々羨ましくてさ。嫉妬して、咲良を傷つけたことだってあったくらい。雨宮にもキツくあたっていたことは自覚してる。謝らないけどね」
自覚していたのか。しかも謝らないのか!
確かに理乃ちゃんは怖い存在だったな。それは今も同じだ。
「でも、咲良はそんなあたしを許してくれただけじゃなくて友達になってくれた。あたしの大切な友達なんだ。そんな咲良が苦しんでいるのをただ見てるって辛いんだよ」
まるで怒られているようだ。
実際にはそうなんだろうけど、高校の時とは違って優しさを感じる。
「だから、さ」
理乃ちゃんは急に赤くなって口ごもる。
言いづらそうに、指を絡めたり握ったりしている。



