包みを開いていると、
「亮ちゃん、おいしい?」
早速、咲良が感想を聞きにやってきた。
「まだ食べてないし」
「じゃあ、食べる前の感想を」
「……いただきます」
「それ、感想じゃないよ」
「いいから食わせろ!」
大事な休み時間を咲良に奪われるなど、俺の腹が許さない。
このまま空腹のままでいると、次の授業中に激しく鳴る自信がある。そんな失態はしたくない。
やっとひと口、食べたところで咲良がペットボトルのお茶を出す。
「はい、お茶」
「早いわ!」
「喉つまるよ?」
「まだそこまで食ってねえよ!」
家でも学校でもこの調子。
だからクラスメイトに勘違いされる。



