繁華街通り。
 夜になればセクシー系のお店が活発になる。呼び込みの兄さん達が元気になる前に、俺はさっさとそこを過ぎ去る。



 遠回りするとはいえ、やはり繁華街通りは行きたくはない。帰りは別の道にしよう。



 やっと目的のラーメン屋が見えてきた。



 小さな店ではあるが地元民に愛されている。
 本当は冷やし中華がうまいけど、まだ時期的に早すぎる。ちょっと残念だ。




「ちょっと!」

「は……い!?」




 油断していた俺は店の前で、思い切り振り向かされる。



 驚く俺を睨みつけるのは、キツイ表情とは違って可愛らしいエプロンをつけた女性だった。