『だから、亮ちゃん!』

『なに?』

『すれ違いが起きないように、好きなら好き! 嫌いなら嫌いって言って!』

『お前、リバーシみたいな奴だな』

『リバーシ?』

『白黒つけたがる』

『いいじゃない』




 ふと見ると、オイル時計のピンクの玉は全てゴールに到達していた。
 時間をかけてたどり着いたんだ。すれ違い続けても、ゴールを目指して――――。




『咲良のこと、好きだよ』

『ほんと?』

『好きだから一緒にいる』

『じゃあ……約束してくれる?』




 咲良は俺に教えてくれる。



 そう、俺たちは大事な約束をしたんだ。
 あの日、忘れてはならない約束をしたんだ。