お互い様だ。
咲良もよく知っているなと感心する。結局は似たもの同士みたいなもんだ。
咲良は立ち上がって、窓際にあった段ボールの中を探り始める。
『あった!』
新聞紙に包まれたそれを取り出し、ビリビリと豪快に破く。
『オイル時計っていうの。お父さんに買ってもらったんだ!』
嬉しそうに取り出した咲良は頬を赤くして、可愛らしかった。
丸い筒型のそれを逆さまにすると、ピンクの水の玉が転がる。
左右2箇所の坂道をころころ転がり、地面に溜まっていく。
咲良が好みそうなものだ。
『この坂道の形。これが、らせんって言うんだって』
『へー……だから?』
『あのね』
咲良は首をすくめた。



