「どっちなんだよ」




 気持ちとは裏腹に、俺の右手が咲良の髪を撫でていた。




「う……ん」




 こんなふうに警戒心もないまま、人のベッドで寝られるってことは幼なじみなんだろうな。



 だがら、祐介の言っていることは間違っている。
 咲良が変わったのは俺のせいじゃない。人間、誰だって変わっていくんだ。



 そう、思いたいだけなのか?




「亮……」




 思わず手を引いていた。
 起きたのかと思ったが、上を向いて寝息をたてている。寝返りだ。



 驚いて、俺は心臓がどうにかなってしまったみたいだ。苦しいくらいに鼓動が速い。



 強く激しくシャツの上からでもわかる動き。
 止めようとしても止まらない。