歳を重ねるにつれて、大人っぽさが増していく。



 目を閉じると初めてわかる、まつ毛の長さ。
 髪の毛もサラサラ。毎日手入れしているみたいだ。
 シャンプーの香りが優しくてくすぐったく感じる。



 いつの間にかこんなに美人になってる。



 化粧を落とすと幼い顔立ちが目立つ。
 柔らかい肌や赤くふっくらした唇。
 髪の毛の間から見える首すじ。



 幼かった咲良は、あっという間に女になっていた。



 スウェット、俺のサイズだから大きすぎてはだけて……。




「……まずいな」




 俺、ヤバイ。いろいろヤバイ。
 こいつ、警戒しろよ! 頼むから!! ちょっと、警戒心なさすぎだろ!!



 俺たち男と女なんだぞ、咲良。



 お前は俺のこと、どう見えてるんだ。男か、幼なじみか。