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 余計に、帰りづらくなってしまった。



 祐介との電話を切ってから妙に意識してしまい、普通に咲良に話せるか不安になる。



 すぐにアパートに帰れなくてフラフラと歩き回っていた。
 コンビニに入ったり、ファミレスに入ったり、1日でありえないくらい出費してしまい、ショックを受けながら帰ってきたのは空が明るくなり始めた頃。




「さすがにもう、寝てるよな」




 アパートに着いてから腕時計を見ると4時前。
 慎重にドアを開ける。



 中は薄暗い。かすかに寝息が聞こえてきて、俺は安心した。



 帰らずにいたことに安心したのか。咲良の追求から今だけでも逃れられることに安心したのか。



 多分、どっちもだろうな。



 部屋を覗くと、咲良はちゃっかりベッドを占領していた。



 しかも俺のスウェットを勝手に着てる。勝手に風呂に入って寝たようだ。まだ髪が濡れている。