目の前に祐介がいるような気がした。
嬉しいと言って、振られたばかりなのに笑っている。
祐介はそういう奴だ。すごく優しい親友なんだ。
「ありがとう」
あの日、咲良が死んでしまって、もう立ち上がれないと思った。
でも目の前に姫巫女が現れて、願いを叶えてくれた。
――――想いを告げてはならない。
その代償は、俺の心を少しずつ抉っていく。
幸せが咲良を包むと思っていたから、叶えた願いだ。
でも、何でうまくいかないんだろう。
祐介が告白を失敗して俺は辛かった。そして、なぜかほっとしていたんだ。
最低だ、本当に。
自分が嫌い。自分の醜さにイライラする。
このまま壊れてしまいたい。
俺なんか、消えてなくなってしまえばいいのに――――。



