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 結局、咲良や祐介に連絡をしたのは母さんだと後日わかった。



 ずっと言うべきかを迷って、家を出る前にメールを送ったという話だ。
 それでも出発直前だったから、2人は時間に間に合わないだろうと思っていたらしい。



 駅のホームで声がした時は本当に驚いたのだという。



 電車がホームを出た後に、何件も咲良から着信があった。出てしまえば、俺のしてきたことが水の泡となりそうで怖くなり、無視してしまった。



 本当はすごく嬉しくて、例えあれが最後になろうとも2人の笑顔のお陰で頑張れるような気がする。



 頼りになる祐介。
 大好きな咲良。



 2人が幸せになれることをただ、俺は願うばかりだ。